Memo
健康一口メモ
噛む子は育つ

脳の発達は『噛む』ことから
よく噛み、アゴを動かすと、脳に酸素と栄養が送られ、脳細胞の働きが活発になります。
しかし、最近は、子供も大人も、「ヤワナガクリョク」現象に陥ってると指摘されています。これは造語で、
ヤ(柔らかいもの好き)ワ(和食嫌い)ナ(ながら食い)ガ(ガツガツ食い) ク(食わずに流し込む)
リョク(緑黄色野菜嫌い)を指しています。ガクリョクは、アゴの力の「顎力」ですが、噛むことが脳の発達に
強く関係していることから、「学力」とも読めます。毎日の食事で「噛む」ことを、おろそかにしていると、
脳の発達も遅れ、学力に影響するのです。
また、言葉の発音がハッキリせず、モゴモゴと不明瞭に話すのは、乳幼児のころ、歯が生えているのに、牛乳や、
スープ、プリン、柔らかい離乳食など、流動食に近い食生活を長く続けたため、歯や口輪筋だけでなく、舌の
発達も遅れたために起こる現象です。
噛むことは、イキイキした表情や脳細胞を発達させるだけでなく、ハキハキした会話のための「舌の発育」
にも大切なことなのです。
唾液の効果
噛めば噛むほど、「唾液」はたくさん出ますが、この唾液は人の健康に欠かせない大切な働きをします。
唾液の殺菌力は、口の中を清潔にし、細菌感染を防ぎ、虫歯、歯周病を予防します。
さらに、含まれる酵素が、食べ物の消化吸収を助け、胃腸の働きを活発にするだけでなく、発がん物質の
発がん作用を弱める働きがある、と言われています。さらに、分泌される、唾液腺ホルモンは、若返りホルモン、
とも言われ、老化防止に一役かっています。
また、噛むことで、大脳皮質が刺激され、唾液が出やすくなるだけでなく、精神もリラックスし、集中力も増す
のです。唾液のたくさん出る人は、若々しく、健康だと言えるのです。
唾液は、一日、1~1・5リットル出ると言われていますが、最近では、唾液量が極端に少なく、口の中がいつも
乾いている「ドライマウス」を訴える人が増加しています。放置すれば、口臭だけでなく、虫歯、歯周病、口内炎
などを引き起こし、風邪をひきやすくなります。
「一口30回以上噛みましょう」と言われますが、早食いなど控え、噛む必要のある硬めの穀類、豆類、野菜、海藻、
骨ごと食べる小魚類や乾物、漬物などは、栄養のバランスが良いだけでなく、噛むことで、唾液を多くし、免疫力を
高め、健全な肉体と精神を育てるのです。
噛む子は育つ
よく噛むことは、良いことばかりです。覚えやすい標語に、「卑弥呼の歯がいーぜ」というのがあります。
(ひ)肥満を防ぎ、食べ物本来の味がわかり (み)味覚が発達し、口のまわりの筋肉を使うので
(こ)言葉の発音がハッキリし (の)脳の発達を促します。そして (は)歯の病気を防ぎ、
(が)ガンを予防し (い)胃腸の働きを活発にし、噛むことにより歯を食いしばる力がつき、
(ぜ)全身の体力が向上し、全力投球ができる体質になる、のです。
その他、若さを保ち、老化防止の効果もあります。
噛むことは、食習慣ですが、噛む能力は、訓練、によって身につきます。
健脳食の基本である「マゴワヤサシイ」つまり、豆類、ゴマ、ワカメなどの海藻類、野菜(たっぷり)
魚(特にまるごと食べられる小魚類)、シイタケなどのきのこ類、イモ類、を意識して食べ、
噛む噛む生活、を始めましょう。